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2024/05/17 03:28 |
ほんとうの。(FC劇場/GP-02×GP-01)
 
こんな風に愛したかったわけじゃない。
こんな風に愛されたかったわけじゃない。

それでも、それでも、それでも――…















ほんとうの。















心の弱い兄貴でゴメンな。

大好きな、オレの弟。





「02」
「どーした、兄貴」


こうして話している分には普通なのにね。
でももうお前はお前じゃないんだよ。
自分でも気づいてないだろ?
オレしか知らない、とっておきの秘密。


「なんでもないよ」
「兄貴?」


好きで好きで、どうしようもなかった。
伝わらないのが、苦しかった。
オレも所詮、そこらにいる奴と同じだった。


「…なんでも、ないよ」


誰かを好きになるというのは、幸せで、そして辛いことだ。
想い人にかけてもらった何気ない一言に喜びを感じることもある。
そして、届かない想いに心を食い荒らされることもある。

その痛みに耐えられなかった。

心の痛みなんか知らなかったから。
ずっと痛みを与える側にいたから。
思い通りにならないことがなかったから。


「兄貴」
「何…っん」
「…無理して笑うな。ムカつくから」


口付け。
優しく、暖かく、限りなく苦い。
あまりの苦さに、涙が一粒零れた。


「あ、兄貴?」
「ごめ…」


…ほんの少し、02の心に細工をした。
オレへの憎しみを薄め、オレに触れることを躊躇わないように。
そして、オレのことを好きになるように。

記憶や感情を完全に書き換えたわけじゃない。
元の02に近い状態のまま、オレを好きにさせた。
キスしてくれる。抱いてくれる。
オレの理想の、02。

馬鹿だよな。
ほんの少しでも変えてしまえば、それはもう元の02じゃないのに。


「ごめん、な。大丈夫だよ。――心配してくれてありがと、02」
「べ、別に心配してたわけじゃ…!」
「くす。…ありがと」
「~~~あぁもう、勝手に言ってろ!」


立ち去る背をからかう言葉さえ、出てこない。















望んだんだ。
選んだんだ。

だから。

オレに苦しむ権利はない。





この痛みは、弱いオレへの 罰。





こんな風に愛したかったわけじゃない。
こんな風に愛されたかったわけじゃない。





ねぇ。





もう、お前には聞こえないと思うけど。
もう、お前には届かないと思うけど。





ねぇ。





ごめんね。


ほんとうのほんとうに 大好き だよ。


今さら だけど オレ さ お前 に





―― オレを 好き に なっ て 欲しか った 。





   ―― おまえの ほんとう の 好き が 欲しかった よ 。 




















fin




atogaki
 【White evening primrose】様へ捧げます、相互記念小説。
 ふはははは!悩み苦しめ!簡単にくっつけてやるほど優しい性根は持っとらんわ!(待て
 祝福が欲しいのなら苦しみを知り一人で泣かなきゃ魂は輝けないんだぜ(B'z?
 悩んで悩んで苦しんだ先の答えを見つける前に、安易な手段に走ってしまった01。
 まぁこういうのもありかな、と。っつか悩んでる01書くのなんか風海くらいか?(笑

2007/04/21

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2009/09/26 23:52 | Comments(0) | TrackBack() | SDガンダム フルカラー劇場

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