「…モリヲー」
「何だよ」
「ひまー。かまってー?」
「嫌だ」
SUNSET COLOR...
この問答をもう何回繰り返しただろう。
ハナから数えちゃいないが、10や20ではきっと足りない。
これだけ繰り返せばいい加減諦めそうなものを、この男はちっとも懲りないのだ。
「けーんーちゃーん」
「健ちゃん言うな」
「いいじゃんよ、別に」
「良くない」
「オレのこと匠って呼べないくせにーヘタレけんいちろー」
「…うるさい」
コレが仮にも付き合っている二人の会話だというのだから笑えない。
まぁ、付き合っているといったって、たかだか数日前からなのだが。
告白される直前に、襲われたのも同然に由良に唇を奪われて以降何にもないのが実情だ。
…何かしたいキモチが、ないわけではないのだが…。
「モーリヲーってばー」
「…何だよ」
「ひーまーぁー」
「部屋に帰って絵でも描いてればいいだろ」
「やだ。モリヲと遊びたいー」
「(…子供か、こいつは)」
ベッドの上で手足をじたばたさせて我が儘を言う姿は、まさに子供そのもの。
いいオトナが…とも思うのだが、彼のそんなところも好きな自分がいるのも確かで。
ぱたん、と読んでいた本を閉じて、軽く溜め息をついた。
彼――由良匠がヒトの部屋にやってきて、我が儘を言うこと早や数時間。
外はもう大分陽が傾いてきていた。
赤く染まっていく空。
ソファーから肩越しにベッドを振り返ると、未だにうーとかあーとか言いながらじたばたしている由良。
そんな彼を見て、ふと悪戯を思いついた。
そっと立ち上がってベッドに近づき、
むに。
由良の頬をつつく。
「うにッ!?」
むにむに。
「ぅあにすんやよぉモぃヲ~!?」
もにもに。
「(…可愛い)」
うにうに。
「や~め~ろ~!!」
「わっ!?」
がんっ、とイイ音がして、額同士が衝突する。
かなりの激痛に激突個所を押さえてしゃがみこんだ。
由良も同様に額を押さえ、足をばたつかせて悶絶している。
「~~~ッ!!ぃ痛ッてぇ~~~~~!!!」
「馬っ鹿!!いきなり起き上がるからだろうが!!」
「はァ!?オレのせーじゃないだろっ!大体、モリヲがほっぺた突っつくから!!」
「そ、それは…っ!」
…言えない。
口が裂けても言えない。
『由良が可愛かったから悪戯したくなった』、だなんて。
何があろうと絶対に言えない。
格好悪いにも程がある…!
「…それは…」
「何だよ?」
「ぅー…ぁー…」
「あ、もしかして、オレが可愛過ぎたからトキメいてちょっかいかけたくなっちゃった~vとか~?なぁんちゃっ」
「――ッ…!」
「て………ぇ、あ、あれっ?も、もしかして…図星…?」
空気が、凍る。
その通りだよコンチクショウ、と、心の中で悪態をつく。
あまりに格好悪過ぎて顔を上げられない。
体中の熱が顔に集中するのが分かる。
多分今、どうしようもないぐらい顔が赤くなっているはずだ。
「も、モリヲ~…?」
「…うるさい、放っとけ馬鹿」
「バっ…!?馬鹿って言う方が馬鹿なんだよっ、バカ!!」
「だぁぁっ!!うるさいって言ってるだろっ!!それ以上言ったら襲うぞ馬鹿由良ッ!!」
「べーだっ、へたれだからそんなこと出来ないくせに!!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ばかモリヲ~!!」
「~~~~~!!!!!」
…確かに。
自分は由良ほど積極的ではないから、襲うなんて真似は出来ないかもしれない。
けれど。
…ちゅ
うるさく騒ぐ口を、自らの唇で塞ぐ。
「…っ、ぅん」
唇と唇の隙間から、小さく由良の呻きが漏れる。
差し込んだ舌を彼のそれと絡ませる。
先程まで由良が舐めていた飴の味が、味蕾へと伝わる。
甘い、味。
「っふ…んぅ…」
一度唇を離し、角度を変えて、もう一度。
深く、長く、口付ける。
くちゅくちゅという淫靡な音と、乱れた呼吸音だけが耳に届く。
混じった唾液が溢れ、口の端から零れた。
「ふぁ…ぁ」
唇が離れたとき、由良の眼は潤み、頬は紅潮していて。
その顔を見て、自分が昂ぶるのが分かった。
まだいまいち眼の焦点が定まっていない由良に、耳元で囁く。
「――これぐらいは、出来る」
「…っ!」
さっきまで夕暮れ色をしていた空は、濃紺へと変わり。
今度は由良が赤くなる番だった。
fin
atogaki
【ForgotCool】様へ捧げます、相互記念小説。
リクは『森由良文』…ということでしたが…森由良?(聞くな
ゴメンナサイ、風海の中で森由良はこんなイメージです;;へたれ攻め×襲い受け…。
そしてキスシーンがなんかエロいのは気のせいです(ぇ
この続きがどうなったのかは…妄想してください(笑
2006/02/25
「何だよ」
「ひまー。かまってー?」
「嫌だ」
SUNSET COLOR...
この問答をもう何回繰り返しただろう。
ハナから数えちゃいないが、10や20ではきっと足りない。
これだけ繰り返せばいい加減諦めそうなものを、この男はちっとも懲りないのだ。
「けーんーちゃーん」
「健ちゃん言うな」
「いいじゃんよ、別に」
「良くない」
「オレのこと匠って呼べないくせにーヘタレけんいちろー」
「…うるさい」
コレが仮にも付き合っている二人の会話だというのだから笑えない。
まぁ、付き合っているといったって、たかだか数日前からなのだが。
告白される直前に、襲われたのも同然に由良に唇を奪われて以降何にもないのが実情だ。
…何かしたいキモチが、ないわけではないのだが…。
「モーリヲーってばー」
「…何だよ」
「ひーまーぁー」
「部屋に帰って絵でも描いてればいいだろ」
「やだ。モリヲと遊びたいー」
「(…子供か、こいつは)」
ベッドの上で手足をじたばたさせて我が儘を言う姿は、まさに子供そのもの。
いいオトナが…とも思うのだが、彼のそんなところも好きな自分がいるのも確かで。
ぱたん、と読んでいた本を閉じて、軽く溜め息をついた。
彼――由良匠がヒトの部屋にやってきて、我が儘を言うこと早や数時間。
外はもう大分陽が傾いてきていた。
赤く染まっていく空。
ソファーから肩越しにベッドを振り返ると、未だにうーとかあーとか言いながらじたばたしている由良。
そんな彼を見て、ふと悪戯を思いついた。
そっと立ち上がってベッドに近づき、
むに。
由良の頬をつつく。
「うにッ!?」
むにむに。
「ぅあにすんやよぉモぃヲ~!?」
もにもに。
「(…可愛い)」
うにうに。
「や~め~ろ~!!」
「わっ!?」
がんっ、とイイ音がして、額同士が衝突する。
かなりの激痛に激突個所を押さえてしゃがみこんだ。
由良も同様に額を押さえ、足をばたつかせて悶絶している。
「~~~ッ!!ぃ痛ッてぇ~~~~~!!!」
「馬っ鹿!!いきなり起き上がるからだろうが!!」
「はァ!?オレのせーじゃないだろっ!大体、モリヲがほっぺた突っつくから!!」
「そ、それは…っ!」
…言えない。
口が裂けても言えない。
『由良が可愛かったから悪戯したくなった』、だなんて。
何があろうと絶対に言えない。
格好悪いにも程がある…!
「…それは…」
「何だよ?」
「ぅー…ぁー…」
「あ、もしかして、オレが可愛過ぎたからトキメいてちょっかいかけたくなっちゃった~vとか~?なぁんちゃっ」
「――ッ…!」
「て………ぇ、あ、あれっ?も、もしかして…図星…?」
空気が、凍る。
その通りだよコンチクショウ、と、心の中で悪態をつく。
あまりに格好悪過ぎて顔を上げられない。
体中の熱が顔に集中するのが分かる。
多分今、どうしようもないぐらい顔が赤くなっているはずだ。
「も、モリヲ~…?」
「…うるさい、放っとけ馬鹿」
「バっ…!?馬鹿って言う方が馬鹿なんだよっ、バカ!!」
「だぁぁっ!!うるさいって言ってるだろっ!!それ以上言ったら襲うぞ馬鹿由良ッ!!」
「べーだっ、へたれだからそんなこと出来ないくせに!!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ばかモリヲ~!!」
「~~~~~!!!!!」
…確かに。
自分は由良ほど積極的ではないから、襲うなんて真似は出来ないかもしれない。
けれど。
…ちゅ
うるさく騒ぐ口を、自らの唇で塞ぐ。
「…っ、ぅん」
唇と唇の隙間から、小さく由良の呻きが漏れる。
差し込んだ舌を彼のそれと絡ませる。
先程まで由良が舐めていた飴の味が、味蕾へと伝わる。
甘い、味。
「っふ…んぅ…」
一度唇を離し、角度を変えて、もう一度。
深く、長く、口付ける。
くちゅくちゅという淫靡な音と、乱れた呼吸音だけが耳に届く。
混じった唾液が溢れ、口の端から零れた。
「ふぁ…ぁ」
唇が離れたとき、由良の眼は潤み、頬は紅潮していて。
その顔を見て、自分が昂ぶるのが分かった。
まだいまいち眼の焦点が定まっていない由良に、耳元で囁く。
「――これぐらいは、出来る」
「…っ!」
さっきまで夕暮れ色をしていた空は、濃紺へと変わり。
今度は由良が赤くなる番だった。
fin
atogaki
【ForgotCool】様へ捧げます、相互記念小説。
リクは『森由良文』…ということでしたが…森由良?(聞くな
ゴメンナサイ、風海の中で森由良はこんなイメージです;;へたれ攻め×襲い受け…。
そしてキスシーンがなんかエロいのは気のせいです(ぇ
この続きがどうなったのかは…妄想してください(笑
2006/02/25
PR
トラックバック
トラックバックURL: