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2024/11/24 20:05 |
たとえば止まない雨を憂う時間(アライブ/森尾×由良)
 
かったるい。










02.たとえば止まない雨を憂う時間










空は快晴、ナイスな陽気。
でも、なぜかかったるい。

「由良?」

聞きなれた声。
ああ――俺の好きなヤツの声だ。

「モリヲ」

金色の髪が眼に入る。
いつ見ても、モリヲは本当に綺麗だ。

「何ボーっとしてんだ」
「なんか、かったるくて」
「こんな気持ち良い日に何言ってんだ」

そう言ってモリヲはため息をつく。
きれいだな。
本当に、一挙一動、全部大好きだ。

「何、笑ってんだよ」
「ううん、別に」

モリヲが少し不機嫌な顔をする。
その顔が可愛かったから、オレはまた笑った。

「…あー、かったるい」
「だから何なんだっての」
「何か、雨降りの日みたいな気分」
「今の天気とは正反対だな」

蒼空には雲一つない。
この様子ではどう間違っても雨は降らないだろう。
天気予報士は楽かもしれない。

「雨、止まないかなぁ」
「いや振ってないって」
「でも、振ってるんだ」

オレたちは『能力者』だから。
心が、欠けているから。
だからそこに、たまに雨が降る。
この憂いは、きっとそのせい。

でも、オレは知ってる。
憂鬱な時間を、終わらせる方法を。

「ね、モリヲ」
「何だ?」
「降り止ませて?」

モリヲに向かって両手を伸ばす。
そして一瞬だけ呆れたような顔をして――オレを抱きしめてくれた。

背中に回した腕に力を込める。
眼を閉じれば、唇が振ってきて。

雨が止む。
オレを抱く腕も、触れ合う唇も、暖かいから。

「モリヲ、だいすき」

モリヲは、風。

どんなものでも吹き飛ばしていく風。
たとえばそれが雨が止むのを待っている時間の憂鬱だって。
何もかも掻き消していく風。
サイコーキレイな、金色の。

逃がさないから。
捕まえて、離さないから。

オレだけの、金色の風。















fin




atogaki
 【Freiheit】様に捧げます、相互記念小説。
 リクは森由良…。えっらい遅なってごめんなさいッ…!!
 限りなくタイトル関係ないぜ…orz
 これでも森由良です。森由良なんです。(必死の主張
 もう煮るなり焼くなりお好きにどうぞです。

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2009/09/26 23:53 | Comments(0) | TrackBack() | アライブ 最終進化的少年

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